家計診断Pro(Financial Health Check)では、2025年11月に大規模なアップデートを行いました。
今回の改善では
診断精度・一貫性・読みやすさ・セキュリティ のすべてが大きく向上しています。
この開発ブログでは、アップデート内容を時系列で分かりやすくまとめています。
OpenAI APIキーを wp-config.php に外出ししてセキュリティ強化
以前は、robotfp-openai.php に API キーを直書きしていました。しかし、これはセキュリティ上のリスクが残るため、以下の方法で改善しました。
wp-config.php に環境変数として定義
define( 'ROBOTFP_OPENAI_KEY', 'sk-proj-xxxxxxxxxxxxxxxx' );
mu-plugins 側は環境変数を読むだけに変更
function robotfp_get_openai_key() {
if (defined('ROBOTFP_OPENAI_KEY') && ROBOTFP_OPENAI_KEY) {
return ROBOTFP_OPENAI_KEY;
}
return null;
}
結果
- APIキーが外部に露出せず安全に管理できるようになった
- 診断APIが正常にキーを取得して動作するようになった
判定ロジックを完全に「家計診断Pro|判定基準」に準拠
診断結果の A/B/C 判定にブレが多く、次のような誤判定が発生していました。
- 住居費が30%超でもB判定
- その他生活費の基準が独自解釈
- コメントと評価が矛盾
- A判定数・C判定数が合わない
これを解決するため、判定基準ページの表をそのままプロンプトに固定化しました。
判定は AI の裁量を禁止(完全固定)
例:その他生活費
- A:収入の50%以内
- B:50〜60%
- C:60%以上
このように「必ず表の通りに判定する」ようシステムプロンプトを強化しました。
総合コメントをシンプルで実務的な3行構成に刷新
以前は A判定の羅列やC判定の羅列で、文章が長く読みにくい問題がありました。
新しい総合コメント(3行のみ)
- 資産と負債のバランス(倍率など具体的な数値)
- 貯蓄率(必ず「○○%」を記載)
- 長期負債と収入の倍率(住宅ローン倍率 or 無担保長期負債割合)
短く・FP実務に基づいて・一貫性ある文章に改善しました。
FPへの相談の目安を条件分岐で最適化
旧仕様では、A判定のカテゴリは非表示でした。
しかし実務上は
「全てAでも、年1回は家計チェックをすべき」
という考え方が自然です。
新仕様
- 全てAの場合
→ 家計は良好でありつつ、「年1回の家計診断」を推奨する文章を必ず表示 - A以外がある場合
→ 支出・負債・資産運用の3カテゴリごとに、的確な相談先を表示
診断レポートとして説得力のある構造になりました。
評価テーブルの精度と表記を全面改善
今回のアップデートにより、
- 全項目を必ず表示(教育費・有価証券なども省略なし)
- 評価不要の項目は「—」固定
- コメント・数値の整合性は完全一致
- 指標の表示順も安定化
など、表としての完成度が大幅に向上しました。
まとめ:診断品質が実務レベルまで進化
今回のアップデートにより、家計診断Proの診断ロジックは
- 精度(Accuracy)
- 一貫性(Consistency)
- 読みやすさ(Clarity)
- セキュリティ(Security)
の4点で大きく進化し、実際のFP実務でも十分活用できる品質まで向上しました。
引き続き、より良い診断体験を提供できるよう開発を進めていきます。

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