家計診断Pro|P/L・B/S基準値のアップデートとUI改善

家計診断Pro

今日は、家計診断Proの「P/L・B/S評価ロジック」「UI表示」「内部コード構造」について、
複数の改良を行いました。
特に、負債管理の精度向上表示項目の整理 を中心に大きなアップデートとなりました。

■ 1. 「借入金返済」「住居費」「現金」など名称整理(UI改善)

家計診断としての分かりやすさ、FP実務との整合性を考慮し、表の名称を整理しました。

主な変更点(名称変更のみ)

住居費住居費(住宅ローン含む)
借入金返済(年間合計・住宅含む)借入返済(住宅ローン除く)
現金(当座資金・普通預金など)現金(普通預金など)
カードローン(リボ等の残高)短期負債(リボ・カードローン等)

目的

  • UI上の表記精度を上げ、ユーザーが直感的に理解できるようにするため
  • FPの実務に近い形へ統一するため

■ 2. 「奨学金」行を削除 → 新カテゴリへ統合

従来は B/S に「奨学金」という単独項目がありましたが、
家計診断上は 無担保長期負債の一部として扱う方が合理的 と判断し、行を削除しました。

代わりに以下の新カテゴリを設置:

無担保長期負債(奨学金・教育ローン・自動車ローン等)

基準値:

  • A: ≤ 収入 × 0.2
  • B: ≤ 収入 × 0.3
  • C: > 上記

目的

  • 統一的に「無担保長期負債」を評価する方が現実的
  • 行をまとめることで UI もスッキリ

■ 3. B/S「負債合計(自動)」に A/B/C 評価を追加

従来は表示のみでしたが、
家計健全性の判断には「総負債 / 総資産」は必須と判断し、A/B/C 評価を追加。

基準値(目安)

  • A: 負債 ≤ 総資産の 50%
  • B: ≤ 80%
  • C: 80%超

実装方法

UIロジック buildNumRow() を使い、
gradeFn の中で その場で総資産(流動+固定)を計算 して評価する形に変更。

gradeFn: ({ v, r }) => {
  const totalAssets =
    (r.laTotal ?? 0) +   // 流動資産
    (r.faTotal ?? 0);    // 固定資産
  return gradeTotalLiabilities(v ?? 0, totalAssets);
}

目的

  • 家計分析では「負債比率」が非常に重要
  • 専用の総資産フィールドがなくても算出できるよう配慮

■ 4. 「その他生活費」に基準値とA/B/C評価を追加

従来は基準が無かったため、以下の判断基準を新設:

  • A: ≤ 収入の 50%
  • B: ≤ 60%
  • C: > 60%

目的

  • P/L全体のバランスを見るため
  • 他項目の基準との整合性を取るため

■ 5. P/L・B/S 評価ロジック(grade系関数)の拡張

今回のアップデートに合わせ、
内部の grade 関数群に以下を新規追加・改良しました。

新規追加

  • gradeTotalLiabilities()
  • gradeUnsecuredLong()
  • gradeLifeOther()(その他生活費用)

改良

  • 住宅ローンを除く借入返済の比率判定
  • 現金比率の基準(A/B/C)調整

全体として、より FP実務の判断基準に近く、バランスの取れた体系 になりました。


■ 6. 表示用コンポーネントの整理(buildNumRow 統一)

  • <tr> でハードコードしていた行を すべて buildNumRow に統一
  • コメントアウトもすべて JSX 安全形式 {/* ... */} に統一

これにより、表構造を壊さずに処理を増やせる 柔軟な設計になりました。


■ 7. 最終的な効果(ユーザー体験)

今回のアップデートにより、ユーザーは:

  • UIがより分かりやすくなり、迷わない
  • A/B/C の評価が一貫性を持って理解できる
  • 家計の「負債構造」が適切に可視化される
  • FP視点での家計健全性が正しく判定される

というメリットを得られます。


■ 8. 次のステップ

今後の開発予定:

  1. Difyプロンプトの修正(ナレッジ体系に合わせる)
  2. 「結果の見方」ページの改訂
  3. バックアップ/移行機能の検討(localStorage → ファイル化)

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